里山食堂 -農家系レストラン-
◆「見えない資産」への発想
◆人と地域を大切にする運営を目指して
嘉瀬川ダムで故郷が沈む。「住む」ということに向き合わなければならない現実。西さんは仲間達と共に「住むことに喜びと誇りを持って」を合言葉に「菖蒲を基盤とした菖蒲里作り計画」をつくりあげる。やがてその想いは行政も動かし株式会社として「森の香 菖蒲ご膳」を立ち上げるまでに至る。会社となった「菖蒲ご膳」だが、運営には地元の様々な人たちが携わっている。料理を作る主婦の方々はもちろん、ストーブの槇を集めて来てくれるお爺ちゃんたちまで渡り、多種多彩だ。「儲けは採算が合う程度ですよ。お給料ももっと振る舞いたいけど」と西さんは笑う。しかし「菖蒲ご膳」には人が集まる。そしてよく働く。聞けば出勤計画などはなく皆の話し合いで運営が成り立っているという。働く菖蒲のお母さんたちの報酬は収入だけではない気がする。「菖蒲ご膳」は地元のお母さんたちにとって料理を披露するステージなのだ。ここに西さんたちが想う「喜びと誇り」があるのだろう。お店が目指すものは繁盛のみを追求していくだけでなく、「喜びと誇り」という価値を大切にしていくこと。菖蒲のお母さんたちは、お客さまと向かい合い立派に価値のやり取りを行っている。
▲取材後、西さんと一緒にまかないをいただいた。
きんぴら牛蒡のうどんとお漬物のキクイモの粕漬け。そして棚田米の白ご飯。ごちそうさまでした。
◆「おすそわけ」の心
「農家レストランとよく言われるけど、ちょっと困惑してます」と苦笑いの西さん。「裸足で歩いてきた10年ですね。愛好会時代と同じですよ。」あくまで自然体。
そんなスタイルで行く、西さんたちの話を聞いてるうちにここでの食事は、
山の恵みやお母さんたちからの「おすそわけ」のような気がした。
確かにここは、レストランというより「菖蒲のお母さんたちの食卓」なのかもしれない。
営業後の厨房での笑い声がそれを物語っている。
食べるだけでは「菖蒲ご膳」は満喫できない。窓を出てデッキの上から山々を眺め、
そして、お母さんたちの話に耳を傾けてほしい。
山野草の話。眼鏡橋の話。森の話。などなど・・・ここでもたくさんの「おすそわけ」を頂けると思う。
眺めて、聴いて。そして食す。これ「菖蒲流食の楽しみ方の心得」
「森の香 菖蒲ご膳」 佐賀市富士町菖蒲
TEL : 0952-57-2011
▼詳しい菖蒲ご膳の情報はコチラ
「菖蒲ご膳」 富士町のおもてなし